イクリプスTDユーザーリスト
今回の「Sounds Good!!」のゲストは、業界でも注目の建築家である廣部剛司さんをお迎えしました。廣部さんは『音楽のような建築』をご自身の設計テーマとして唱えられており、自ら作曲やギターも演奏されるなど、「音楽」に対して深い造詣をお持ちの建築家です。それは「音」だけに留まらず「水」「光」「風」など、様々な事象や自然の要素に対しても、独自の感性で建築に織り込みながら、これまでのご自身の作品に活かされています。
そんな、アーティスティックな視点をお持ちの廣部さんが「やっと自邸に導入しても良いと思ったスピーカーに巡り会えた」として、今回ECLIPSE TDシリーズスピーカーをご選択されました。音楽を愛する建築家が考える、音楽と建築の共存や、空間の中での人との在り方。そしてその「本質」とは何か?。ご自邸のECLIPSE TDシリーズスピーカーと共に、様々なお話を伺いました。
倉持:本日は宜しくお願いします。
廣部:こちらこそ、宜しくお願いします。
早速ですが、この度ご自邸にECLIPSE TDシリーズスピーカーを導入された経緯や、選ばれたポイント等は何所にあるのでしょうか?
まず最初の出会いとしては、以前僕が設計していた家でホームシアターを組みたいと言う相談がありまして、単純に白い壁に白い小さなスピーカーはどうかと、ECLIPSE TDシリーズスピーカーを検討したのが始まりでした。で、お気に入りの何枚かのCDを持って他の候補機種と聴き比べてみたのですが、それは外装色がどうこうと言うよりも、音に透明感があって凄く驚いた事を憶えています。
なるほど。
そして、程なくしてECLIPSE TDシリーズスピーカーのTD307IIが出たタイミングで、僕の生活の場である自宅のリビングに5.1chのシステムを導入をしました。それ以来、オペラやジャズ、映画のDVDを観たりするのはもちろんですが、普段何気なく静かな音量で音楽を流している事が多くなりましたね。
そうでしたか。実は廣部さんは学生の頃からギターを演奏されていたとの事ですが、当時からオーディオ機器にも興味を持たれていたのですか?
学生の頃はギターに傾倒しても、ことオーディオやステレオの装置にはそれ程興味は有りませんでした。まあ自分で楽器を演奏していたからでしょうか、その時代はミニコンポが全盛だったのですが「そういうの」にライブ感というか『生演奏の生命感』は出せないだろうと思ってました。ですから、オーディオ自体がどうこうと言うより、僕には音楽と言うか『音楽感』みたいな部分こそが大切な存在だったのです。
そして、今はECLIPSE TDシリーズスピーカーに新たな『音楽感』を発見をされたと言う事ですね。
そうなんです。実は僕にとってはオーディオの音が信用出来る物になって来たと言いますか、比較的安価な機器でもしっかりとした音のクオリティになったのは、つい最近のような感じがします。中でもECLIPSE TDシリーズスピーカーは先ほど申し上げた『生演奏の生命感』がダイレクトに伝わって来る。それは、音が良いとか悪いとかでなく素直に『音楽感』を聴き取れたのです。
では、建築家として考えるオーディオの側面からも、色々と伺ってみたいのですが、最近では雑誌で建築が特集されたり,テレビでも住宅を取り上げる番組が多くなったりで、ある意味では建築ブームみたいな風潮もあります。そんな中で、近年オーディオやビジュアル機器はシアター需要を満たすアイテムという部分を含め、建築の方向性や空間の可能性が広がった気がしませんか?
おっしゃる通り現在のような、ある種の建築家ムーブメントの中においては、我々もオーディオとかシアターへの関わり自体が違ってきていて、旧来あった音楽をじっくりと籠(こも)って聴くといったオーディオルーム的な思想ではなく、住宅自体が音の場というか『家族で音楽を楽しむ空間』が生活の中でどうあるべきか?という考え方になってきたと感じます。
それは、具体的にはどういった思考でしょうか?
例えば、一番解り易い例としてコンサートのDVDなどをこのECLIPSE TDシリーズスピーカーで聴きますと、まあ良く言われる様な事でしょうが(笑)、あたかも「ここがそのライブ会場の様になる」といった優れた空間再現性があるわけです。つまり先ほどの『音楽感』みたいな要素が「すっ」と表現出来てしまうECLIPSEみたいなスピーカーの存在は、『家族で音楽を楽しむ空間』を生活の中でいかようにも変容させる可能性が出て来た訳です。それは『音楽感』を表現出来る構成要素としての、空間表現の『素材』に一歩近づいたのだとも言えます。
フーム、『素材』ですか・・なるほど。ところで、一般的にオーディオ趣味を突き詰めると、機器どころか部屋..つまり家から作りたいという発想になる訳です。防振や防音と言うのは当たり前で、究極はオーディオシアタールームを作って、好みの音響設計までも取り入れたりしたくなる方が居られますね。
まあ、計り得る音響空間というのはすごく解り易い事だと思うのです。残響等の、きちんとした数値で指し示せられる部分は、音響計算のコンサルタントを設計段階から入れれば良い事です。でも、目指すべきものは、そこではないのです。
まずはオーディオありきでは、何か辛い感じもありますね。
ちょっと素敵なエピソードがありまして、著名な住宅作家でもあった宮脇檀さんが著書に残されていた言葉なんですが「極楽の定義」と言うのが有るのです。少しお借りして言えば、どこからともなくさらさらと風が流れ,どこからともなく揺蕩う(たゆたう)様に音が聞こえ..みたいな事なのです。例えば、エアコンなどでもどこかにバンとあって、そこから冷えるみたいなのではなくて、さりげなく上手にそれが隠されていて、何処からともなく涼しくなっていくみたいなね..。音楽も一緒なんですよ。
ECLIPSE TDシリーズスピーカーならそれが可能だと。
そうです。神殿の様にドンとオーディオが構えていて、それに向き合って聴くのではなく、何処からともなく音の調べが流れる中にこそ身を置きたいじゃないですか。要するに「そこはかとなく音に包まれる」と言うのは、それはまさに極楽な..ある意味『今の時代の音楽の聴き方』じゃないのかなと思います。やはりECLIPSE TDシリーズスピーカーには、そんな僕の思い描く空間を音楽で表現し得る『素材』なんだと感じるのです。
