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---ザ・フォーク・クルセダーズの「戦争と平和」のミキシングに「ECLIPSE TDシリーズスピーカー 512」スピーカをお使いいただきました。
オノ・セイゲンさんとこのスピーカの出会いはいつですか? オノ:僕の好きなギタリストNo.1、宮野弘紀くんのスタジオで 初めて512を聴きました。ちょうど彼の「Nijinsky's reflection in the mirror/Hiroki Miyano(サイデラ・レコード SD-1020H)」の録音を終えたところで、512の立ち上がりの速さが生音にまけないほどよかったのできちんと聴いてみる ことになり、サイデラ・マスタリングでかなり厳密な試聴をしました。レコーディングやミキシングでもっとも重要なことは、 正確なモニターで判断することです。その点、512は僕のメインの標準モニターとも整合性がとれている音で、つまり録音現場 の道具として充分OKということです。今回、ザ・フォーク・クルセダーズのミキシングは自分のスタジオではないところで ミキシングすることになり、512を持ち込んでおこなったのです。 |
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---ザ・フォーク・クルセダーズの「戦争と平和」は、来年2月にはスーパーオーディオCDも登場してくるハイクオリティー
レコーディングですね。 オノ:加藤和彦さんから録音を依頼された時に、アコースティック・ギターの録り方の話を ちょっとしたんですが、その時点でこれはDSD(Direct Stream Digital方式)で録るしかないことを確信していました。 声や音楽の倍音、アンビエンスがポイントになるであろうことも予測できました。 現在、自分の作品もすべてDSDに収録し ています。妥協なく良い音だからです。これはスーパーオーディオCDのフォーマットでもあり、家庭にスタジオのマスターテ ープとなんら遜色のない音が届けられるという夢のようなメディアです。 「戦争と平和」のスーパーオーディオCD(2003年 2月19日発売)を512で聴いてもらうと加藤さんと僕がミキシングしていた時に聴いていた状況と全く同じ音場がご家庭で再 現できます。 |
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---スーパーオーディオCDは、0〜100kHzを超える音まで入っているのですが、スペックとしては20kHz以上がないECLIPSE TDシリーズスピーカー
でも充分使えるんですか?
オノ:いいところに気がつきましたね。フルレンジのスピーカを測定すると確かに15Khzくらい から急に下がってます。しかし通常のCDは20kHzまでしか入らないけどスーパーオーディオCDは100kHzまで入るからスピーカも 20kHz以上再生できないといけない、という理屈では音楽としての音質は語れません。確かに自然界の音、例えば森だとか海岸の波 の音は自然に無限に100kHz以上まですーっと伸びています。楽器の音も20kHzでスパッと切れてしまうのはシンセサイザーぐらい でアコースティック楽器はやはり倍音がかなり高いところまで伸びていてます。ホールなどで反射音、響きが加わるとさらに倍音成 分が増えます。25年くらい前に人間の耳ではピーというサイン波で15kHzくらいしか聴こえないからCDは20kHzでいいとしたらし いですが、実際には20kHz以上の高音域や倍音は、音楽にも自然の音にも必要不可欠な帯域です。ただし重要なことはすべての周波 数帯域が正しいタイミングでないとリアリティにはつながらないということです。スピーカというかオーディオ機器の性能を周波数 特性やパワーで表わすとそういう数字の話になるんですが、ではスペックがよければ音がいいかというと決してそうではないんですね。 数字を読むんではなく音を聴かないといけません。人間の感性というか、その僅かな違いを聞き分ける能力は大変なものです。 もしかすると音を感知しているのは耳だけではないかもしれないのです。医学的にも研究テーマになっているんですよ。 ---何か難しいようでロマンのあるお話ですね。周波数帯域のタイミングを私たちが聞き分けているんですね。 オノ:女性でも子供でも音が本物かどうか、聞き分けるというより、即、直感的に感じるんです。どきっとするのは本物の音です。 高い周波数まで伸びているかという数字なんか信用してはいけません。512なんかフルレンジ1発です。すべての音はその一点から発音し、 周波数帯域ごとによる立ち上りスピードの差も起こり得ません。だから自然な音なんです。よくある2ウェイのスピーカでもツイーターが つくと音源が2ケ所になりいろんな問題がでてきます。仮に5khzあたりでクロスするとそのあたり、例えばトランペットとかアコーステ ィック・ギターとか生音にくらべると明らかに不自然です。電気っぽい音になってしまいます。本来1ケ所から発音しているべき音が、 高域と低域に分かれるとそれぞれのユニットで立ち上がりスピードも違い、どうやったって位相が乱れます。3ウェイ、4ウェイになれば よりばらばらになり、周波数特性のグラフが25kHzくらいまでフラットに見えても帯域ごとの音の立ち上りスピードはバラバラで、まあ それによりスピーカ独自のキャラクターも作り出しているんですが、自然かどうか、つまり楽器本来の音に近いかと言うとフルレンジの ようなナチュラルさは得られません。 |1|2|
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