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山田 信正:私は今回の南さんのレコーディングのアルバムおよびシングルに何曲か参加しています。大学生当時、南さんの曲はよく聴いていました。

音的には、今っぽいといいますか、周波数特性が広がっていて、ダイナミックレンジもあるのですが、単にハイファイになったというだけでなく、テープディレイやスプリングリバーブなども使いながら、新しくもあり古くも有るというニュアンスを大切にレコーディングしました。

山田 信正
また、ひとつひとつの音の粒も大切にしています。例えばドラムなどもコンデンサーマイクを使っています。難しい部分もありますが、メリットも多く感じて選択しました。特に南さんの声もそうなのです。声を活かしつつ、さらに良い意味で強調した音作りにしています。

そんななかで、ECLIPSE TDシリーズスピーカーを今回活用しています。シングルコーンの位相特性の良さ、定位の良さがとくに南さんのレコーディングには良いだろうと感じています。

人によっては「こもって」聴こえると言う方もいらっしゃるかもしれませんが、へんにドンシャリしているモノよりは正確に帯域を追従出来るはずです。まさに、「ECLIPSE TDシリーズスピーカーのようなフルレンジ一発のスピーカーはエンジニアリングの基本」だと私は確信しています。まあ正直、最初形に驚きましたが...(笑)

ただ、気をつけるところといえばセッティングになろうかと思います。良い意味で指向性が強いというところでは上下の高さ調整はもちろんですが、左右の間隔は、低音の感じからやや少し広げてあげた方がいいと思います。

スタンドはD2を使いましたが、もし木製だとどういう聴こえ方になるだろうと思いますね。いい結果が出るかもしれません。ケーブルも色々試してみるといいとおもいます。ECLIPSE TDシリーズスピーカーをどのように活かすのか、自分でも色々とやってみるといいと思いますよ。素性がいいと言うところが、やりようによってさらに自分の物になるというところです。

山田 信正
私のエンジニアワークとしては、聴いていて心地よいものであるということです。例えば良い楽器、良い演奏でも最終的に音になった場合、聴いていて心地よくないとボリュームを下げられてしまうというのは悲しい事です。でも、私が思う聴いていて心地いい音というのは、ハイファイかどうかということではありません。

例えば昔のビートルズなどは必ずしもハイファイでは有りませんが、おおよそ心地よい。それは、「音的に無理が無い」ということなのです。人間の可聴周波数がありますね、その音の核となるのは中音に有ると思うのですね。例えばその頃のマイクなどは中音がほとんどで、超高域どころか高域も無い。ちゃんとした芯になる中域が確実に捉えられていれば、それが何よりの心地よさにつながると思います。

つまり、シングルユニットだからではないですが、フルレンジスピーカーだからこそ中域の再生実力が問われる気がします。上下の帯域が欲しいという声もあるでしょうが、まずは心地よさのベースであり、音の核となる中域がきちんと確立されていてこそ、次に行けるのだと思います。

南 佳孝&山田 信正
今回南さんのレコーディングを通して、南さんの声、そして楽曲はもちろん、歌唱力、バックミュージシャンの演奏力に裏打ちされた音楽をより良い音でお届け出来る様に努力しました。

ぜひ、南さんのニューシングル、そしてニューアルバムをじっくりと聴いて頂ければと思います。■

(監修:倉持淳一 写真:東三千雄)
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山田 信正
山田 信正プロフィール

理系大を卒業後、東芝に入社。1986年よりビクタースタジオにアシスタントエンジニアとして勤務しSMAPなどのレコーディングに参加。その後独立しホフディラン/近藤等則/コアオブソウル/ラブサイケデリコなどを手掛ける。

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