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■ナチュラルな時に
── ジャンルで言えば竹善さんの曲はJ-POPだと思いますが、曲によっては最近異常にトータルコンプがかかっていたりします。そのあたりで、初めてECLIPSE TDシリーズスピーカーを使われた今回のアルバムでは、ミックスについて何か心がけたところはありますか?──
楽曲のスタイルによりますね。ロックやクラシカルなものだとか、楽曲によって音の定位や奥行き、エフェクトのかけ具合などジャンルによって異なります。しかしながら、全体としてはとても「自然に仕上げられた」と思います。
ミックスで言うと、ビートルズの初期の頃はコンプかかりまくりですよね(笑)、あの雰囲気がよかったりします。つまりは、楽曲とミックスはいつも一体だと思うのです。まあコンプをかけるとインパクトが出るので、現代としてかけすぎるきらいもありますけど。若い人たちがいつの時代も中心なので、その時代その時代の若者に支持される様な、独特な音の処理は常にあるんだと思います。
もっとも、昔は未熟なレコーディング技術だったり、システムが今程完成されてなかったので、今聴くとそれがある意味暖かみをもっていたという事になるのかもしれませんね。「思いがけない時間差の偶然」としてね。
── というのもECLIPSE TDシリーズスピーカーは生の楽器の再現性には長けていますが、エレクトリカルな楽曲とか、ミックス処理を電気的にやりすぎているものには辛いという評価もあります(苦笑)。また、アコースティックな楽曲においては、音以上に、それ以外のノイズや空間処理まで聴こえ(見え)すぎると言う評価もあります。そのあたりは、どのようにお感じになりましたか?──
例えばですね、繰り返しますがレコードがCDになって、今迄聴こえなかった音がすごく聴こえる様になりました。それはCDのせいではなく、時間が経つにつれて技術が進んでそうなったわけです。音をひとつとっても今の技術では、ディレイやリバーブ等を聴こえない様にかけることが出来る。それが、このECLIPSE TDシリーズスピーカーだと露(あらわ)になってしまうというのは、レコーディングや演奏の側がもっとコンプやエフェクト一つに対しても、より丁寧になる必要があるのかと思いますね。
それとノイズも音楽ですし、ギターのスライドやピッキングノイズも音楽ですからね。まあ、大きすぎるのもどうかとおもいますが(笑)。もっとも、ECLIPSE TDシリーズスピーカーで聴いても大丈夫な位に、音の空間を詰め込みすぎないハードロックもあるべきだと思いますよ。コンプで詰め込みすぎるから辛いのです。
── 例えば、リスナーにこんな装置でアルバムを聴いてほしくないとかありますか?──
そうですね、こちらで指定する事でもないと思いますが、出来るならなるべくフラットに聴いてほしいと思います。例えばラウドネスをかけて聴いてもらっても良いのですが、それでかえって変になってしまう場合も装置によっては無いとは言えませんし(苦笑)。
ただ僕らはミックスの時に、小さい音から大きな音、それこそラジカセや車の中まで、あらゆるシチュエーションを想定して、これでもか!と聴きまくっているので、結果それがその人にとって心地良い音ならそれで良いのですよ。
── 聴き手が作り手に合わせる必要がないと ──
そう、逆に作り手も聴き手に合わせる必要もないんだろうとおもいます。だんだん、音楽にのめり込めば自然と良い音で聴きたいと思う様になるでしょうし。僕たちもそうさせる音楽であるべきでしょうね。
ただ、あまり理屈っぽく語りながら聴いてほしくはないです、昔で言えばジャズやフュージョンを聴いている人に多かった様な、もっとこの音はこうであるべきだ!みたいなのは、ちょっとね(苦笑)。素直に聴いてもらいたい。 <次へ> |
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